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電車の中、駅から学校までの間も、ゾンビや犯人を警戒。
玉置や志村が殺された事を考えると、決して大袈裟ではないはずだ。
だけど、注意していると何も起こらないもので。
それよりも気になったのは、学校に向かって歩く生徒が、ちらほらとしかいないという事。
「やっぱり、今日は休みなのかな。人が全然いない」
普段の登校風景は、駅から学校に向かって、ズラリと長い列が歩道に出来ているのに、今日はそれがない。
「ったく。学校は何してんだよ。よそのクラスには伝えて、被害に遭った私達に伝えないとかバカじゃないの」
俺達が知らないって事は、つまりそういう事だよな。
知らされなかったクラスメイトの何人かは、休みじゃないと思って登校をする。
通学途中で気付いて、帰る生徒もいそうだけどさ。
「何人来るかな……その中に二人を殺した犯人はいるのかな」
学校に近付くにつれ、その不安は大きくなって行く。
小野は俺の問いに答えなかったけど、きっと同じ事を考えているだろうな。
そして……学校の校門。
休校の連絡を受けなかった俺のクラスの生徒が7人ほど、校門の周りに集まっていた。
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