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「そうだ、浦谷くん達が来るまでに、真野さんに昨日の話を聞いておいたんだよ。どうやら、彼女は違うらしいね」
「ほんとにさ、私を疑ってたってどういう事?そもそもゾンビがどうとか、私は全然興味ないんだからね」
大きな胸を押しつぶすように腕組みして、不機嫌そうに皆を見回す真野。
真野があの貼り紙をしたわけじゃないとすると……佐竹か。
学校一の問題児、鬼堂といつも一緒にいるだけに、疑うとなるとちょっと面倒だぞ。
「と、言うわけだ。そうなると後は佐竹くんしかいないわけなんだが……」
「ハッ!お前じゃボッコボコにされておしまいだな。浦谷に訊いてもらえよ。鬼堂に勝てるやつなんて、こいつか隅田くらいのもんだろ」
いや、龍臣もそうだろ。
まあ、プロボクサーだから喧嘩をしちゃいけないんだろうけど。
こういう所で面倒を俺に押し付けるんだよな。
「……もしも、佐竹がやってないって言ったらどうするんだ?」
ボソッと、ゲンさんが呟く。
「そうなると、誰かが嘘をついているか、それとも佐竹くんよりも前に登校していたという事になるな」
そんなの考えなくたってわかるよ。
ゲンさんが聞きたいのは、そうだとすると、どうやって犯人を見付けるかって事だろ。
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