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「あぁ!?テメェらが弘長に何の用だ!俺も探してんだよ!どこにいるか知ってんなら、さっさと言いやがれ!」
急に怒鳴って九条さんに近付くと、制服の胸の辺りを捻り上げて怒りに満ちた目で睨み付けた。
それを見て、慌てて耕太が止めに入ろうとする。
「き、鬼堂くん!僕達は佐竹くんに話を聞きたいだけなんだ!どこにいるかは……」
「うるせぇ!テメェは黙ってろ!」
でも、横に振った鬼堂の手が耕太の頬を直撃し、派手な音が辺りに響いたのだ。
その衝撃でよろめき、倒れそうになる耕太。
「弘長が消えた!電話にも出ねえし、連絡もねぇ!何か知ってるなら言いやがれ!隠してると、全員ぶっ殺すぞ!」
佐竹が……消えた?
そう聞いて、真っ先に思い浮かんだのは、貼り紙の犯人とゾンビ。
もしかして、あのゾンビに喰われてしまったのか?
「ゾ、ゾンビ……ゾンビに食べられたのかもしれない」
胸ぐらを掴まれて、苦しそうな九条さんが絞り出した可能性。
だけどその言葉は、鬼堂を怒らせるには十分だったようで。
「ゾンビだ?テメェ……嘘ならもっとマシな嘘をつきやがれ!」
拳を振り上げ、九条さんに向かってそれを振り下ろしたのだ。
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