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「歳なのに無茶するからですよ山添さん」
「うるせぇ。守れるものを守らねえで、何が警察だ。お前は若いくせに無茶の一つもしねえよな」
「はぁ……と、ところで、キミ達はこんなところで何をしているのかな?学校に来たなら、中に入れば良いのに」
俺達が校門の外で揉めていた事が不思議だったのか、それとも話題を変えたかったのか、森下刑事が俺達に尋ねた。
「え、それはですね。本当は休校だったみたいなんですけど、僕達のクラスには連絡がなかったみたいで。こうして何人かは登校してしまったんです。今、先生がどうするか話し合ってるはずですけど」
耕太の説明に納得したのか、山添警部がムスッとした表情で校舎の方を向いて、首を横に振った。
「あんな殺人事件が起こってるのに、外で待たせるとは何考えてんだよ、お前らの学校の先生は。良いから中に入れ。俺が責任を取ってやる」
そう言って、俺達を先導するように、駐車場の方から構内に入って行った。
鬼堂もさすがに、相手が刑事だと知って暴れるわけにも行かないのか、大人しくなったな。
被害に遭った耕太は災難だったけど、これで中に入れる。
この中にあの犯人がいるにしろいないにしろ、特定しなければいけないんだからな。
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