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「う、うわあああああああああああっ!!」
な、なんで真野が!
さっき、俺と言葉も交わしたのに、いつこうなった!
もう、それだけしか考えられない。
真野の頭部に空いた穴。
その中は……あるはずの物がない!
「い、今の悲鳴はなんだ!?何があった……って、う、うわあああっ!」
真野の変わり果てた姿を見た森下刑事が、俺と同じような悲鳴を上げる。
慌てて駆け付けた山添警部も動揺しているようで……数秒の間、声も出せない様子でただ見る事しか出来ないようだった。
「な、何が起こってやがるんだ……お、お前らは昨日の教室にいろ!森下は署に連絡!」
「は、はいぃっ!」
真野が死んだ。
それは、俺達が犯人を特定しようとしているのを嘲笑うかのように起こり、この場にいない佐竹には出来るはずがないと思い知らされた。
だけど……一つだけ言える事がある。
この場には俺達10人と刑事二人しかいなかった。
つまり……この中に犯人がいるって事なんだ。
そんな状態で、選択教室に入って良いのかどうか。
真野の、乱暴に砕かれた頭部の穴をチラリと見て、俺は恐怖に襲われた。
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