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この場にいる全員が、俺に視線を向ける。
殆どは、「本当か?」という疑いの目を向けているけど、耕太と佐山は違う。
俺がゾンビだと決め付けてるような真剣な目だ。
「じょ、冗談はよせよ!なんで俺が……そんなわけないだろ!」
慌てて立ち上がり、疑われたら誰だってそう言うであろうセリフを言って、耕太を睨み付けた。
「僕だって、誰でも良いから疑っているわけじゃない。だけど浦谷くん。キミには疑われる理由があるじゃないか」
「そうよ。浦谷くんは、どうして二度もゾンビを見て、死なずにいるの?玉置さんに志村くん。真野さんなんて、恐らく見てもいないのに突然殺されたのよ?」
俺が何かをすると思っているのか、身体をこちらに向けて、何が起こってもすぐに動けるぞと言わんばかりの体勢。
「浦谷が二度も?それは初耳だが……どういう事だ」
ゲンさんが、訝しげな表情を俺を見る。
きっと、この二人以外は疑いの段階。
だけど、このままでは耕太と佐山に押し切られて、俺がゾンビにされてしまうぞ。
そんなの、冗談じゃない!
「俺だって知るか!ゾンビが偶然俺の前に現れて、命拾いしたってのに……俺がゾンビだって!?じゃあ、俺が遭遇したのは何だって言うんだよ!」
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