イタズラ

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ベッドから起きて、制服に着替えながら、道場を出た後の事を思い返してみる。 いつもと同じくコンビニに寄って、水を買って飲みながら家への近道を通っていた。 公園の中に誰かがいて……化物に、脳みそから食われて。 「う、うっぷ!思い出すもんじゃない……その後俺はどうなったんだ」 公園から出ようとする化物から逃げようとしたけど、膝が震えて尻餅を突いて。 化物に睨まれた後から記憶がない。 陽子が運んでくれたのはその後か? 夢だとしたらそれで良いけど、現実に起こった事だとしたら、どうして俺は食われなかったんだろう。 単に俺が不味そうだったからなのかな。 なんて考えても、答えなんて出るはずがない。 人を喰う化物がいるなんて、誰に言っても信じてもらえないだろうから。 あの道を歩かなければ、何も見なければ、この件はこれで終わると思っていた。 あんな事件が起こったなら警察が動くだろうし、目撃したからって名乗り出ても、こんな話を信じてもらえるとは思えない。 何もしないのが一番良いんだよな。 フウッと溜め息を吐いて、俺はいつもの生活に戻るためにリュックを持って部屋を出た。
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