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チラリと横目に見てみると、小野は何かを考えているのか、ジッと天井を見続けている。
教室でも、こんなふうに窓の外を見ているんだよな。
近寄り難い雰囲気を出してるけど、その横顔はたまにドキッとさせられるくらい可愛かったりする。
その小野が、今俺の部屋にいるなんて、なんか不思議な気分だよな。
「皆、何してんだろうな。誰も喰われてないよね?」
その質問には、何とも答えようがないんだよな。
あのゾンビの話を信じると、玉置と志村を殺したやつは別にいるって事になる。
例え喰われなくとも、あの二人のように殺される可能性は十分にあるって事なのだから。
誰が、一体どうやってあんな残虐な殺し方をしたのかわからないけど。
「ま、少なくとも俺と小野は生きてるな。それは間違いない」
俺がそう言うと、小野はゴロンと身体を横に向けて、俺を見詰めたのだ。
「な、なんだよ。今わかる事なんてそれしかないだろ?なんか変な事言ったか?」
陽子や千奈美に見られても何とも思わないのに、小野の視線は怖い。
なんて思っていたけど。
「いや、別に。まさかあんたと同じ事考えるとは思わなかったからさ。案外、気が合うかもね、私達」
それは……どういう意味なんだろう。
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