2819人が本棚に入れています
本棚に追加
そもそも、信じても信じなくても、おかしな部分が出てくるんだ、この事件は。
例えば、ゾンビの自作自演だった場合。
昼間も話したように、わざわざ貼り紙なんてせずに、外部の人間を喰っていれば、こんな騒ぎにならなかった。
俺達の前に現れて、「ゾンビだ」と名乗る必要もなかったわけなんだよな。
ゾンビが言っていた事が真実だった場合、全ての事が「ゾンビとは別のやつがやった」という答えで繋がりはする。
だけど、クラスメイトをあんな残虐に殺せるやつなんているのかという疑問が残る。
それこそ、男子高校生一人を担いでタラップを上がって、屋上の避雷針に突き刺すとかさ。
どっちを信じても、信じられない事はある。
こいつらは……何を信じるかな。
さすがに悩んでるようで、すぐに返事を打つはずの佐山が、何も言って来ない。
しばらくして、返事があったけど……それは佐山ではなく九条さんだった。
全くと言って良いほど会話に参加していなかった九条さんからの突然の返事。
『それが嘘でも本当でも関係ないわ。ゾンビともう一人の殺人犯を特定出来れば、その人達に近付かなければ良いだけでしょ?』
それは間違いないんだけど、どうやってその二人を特定するかが問題なんだよ。
最初のコメントを投稿しよう!