2819人が本棚に入れています
本棚に追加
何かを考えていても、考えていなくても、時間という物は勝手に過ぎて行く。
こうやってぼんやりしている時間なんてなくて、もっと考えなきゃならないとわかっているけど、情報が不足し過ぎているんだよな。
外は暗くて、犯人に遭遇するかもしれないと考えると、出歩く事も出来ない。
クラスの誰かにメッセージを送って何か情報を得ようと思っても、運悪く犯人にヒットしていたら目も当てられない。
次はきっと、俺が殺されてしまうだろう。
ろくに身動きが取れず、これ以上は考えても意味がない状況というのは酷いもんだな。
九条さんが言っていた、ゾンビと犯人を特定して近付かないという方法は、現状では正解だろうけど、それではいずれ俺達まで殺されてしまうんだよ。
いつ殺されるかわからない中で、それでも殺されませんようにと祈りながら、誰かが解決してくれるのを待つのか。
それとも、殺されるのを覚悟で、犯人を探すべきなのか……。
俺が今、考えられるのはそれくらいしかないんだよ。
唯一俺達に与えられた選択肢。
動くか、動かないか。
誰がどんな選択をしたって、誰も文句なんて言えない。
死にたくないから、どちらの選択をするかというだけだ。
最初のコメントを投稿しよう!