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「お風呂ありがと……って、もう寝るの?」
そんな事を考えていたら、風呂上りの小野がノックもせずに部屋に入って来た。
……いや、なんで俺の部屋に来るんだよ。
小野の部屋は母さんが用意しただろ?
「仕方ないだろ。他にする事なんかないんだからさ。それより、小野の部屋があるだろ?わざわざ俺の部屋に来なくても……」
「お、落ち着かないんだよ。テレビもないし、話し相手もいないし。まだ寝るには早いんだから、別にここにいても良いだろ」
確かにテレビはないけどさ、スマホがあればいくらでも時間なんて潰せるじゃないか。
動画を観たり音楽聴いたりさ。
ま、別に良いんだけどね。
俺にそう言うと、小野はリモコンを手に取り、テレビの電源を入れる。
学校指定のジャージとは、何とも修学旅行みたいだけど……髪が濡れてるのを見るのは、ちょっとドキドキする。
「何見てんだよ。良いだろテレビくらいさ。それとも何?私とお喋りしたいとか?」
どういう反応だよ。
ここは俺の部屋で、入って来た小野を見てただけなのにさ。
「じゃあ話そうか」
なんとなく「しねーよ」とか言われそうだなと思ったけど、小野が訊いて来たんだからと、そう返事をしてみた。
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