ウタガイ

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小野が俺と同じ事を考えてるなんて不思議だな。 いつも退屈そうにしてて、積極的に何かをするようなやつじゃないと思ってたのに。 まあ、死ぬかもしれないって考えたら、人任せには出来ないよな。 さっき言われた「気が合う」って言葉が妙に気になってさ、ちょっと意識してしまうんだよ。 クラスの中でも可愛い顔してるのに、その態度から誰も近寄ろうとしない。 「……だからさ、一体何なわけ?話しもしないでジッと見てさ」 「い、いや。ごめん、なんでもない」 こんな事を考えていたなんて、とてもじゃないけど言えないよな。 人が死んでるってのに、俺はバカか。 それを小野に悟られないように、ベッドに横になって布団を被った。 「え、ちょっと。話をするって言ったのに寝るの?」 「お、小野はテレビ見てたら良いよ。あ、部屋を出る時は電気消しといてくれよ」 小野に背中を向けて、これ以上意識しないように目を閉じた。 それでも、背中にその気配を感じるんだけどね。 「はぁ……」 その溜め息の意味は何だよ。 俺が女の子と二人きりで部屋にいて、ずっと喋っていられるほど場慣れなんてしてないぞ。 陽子と千奈美は幼馴染みだから、遠慮なく話せるだけなんだ。 そんな事を考えながら、俺は目を閉じた。
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