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「う、うわああああっ!!」
ゾンビに喰われた……と、思ったけど、ベッドの上で身体を起こした俺は、呼吸を乱しながら首と顔に手を当てた。
……良かった、夢か。
昼にあんな事があったから、ゾンビに喰われる夢を見てもおかしくはないか。
恐怖してるんだろうな……いつか俺もああなるかもしれないって。
だけど、よりによって小野とあんな事をする夢と混ざってるなんてな。
部屋は真っ暗、テレビも点いていなくて、部屋に戻ったんだろうな。
成り行きとはいえ、陽子と千奈美以外の女の子が俺の家に泊まりに来るなんて、一度もなかったから、強烈に意識してたのか。
「ふう……トイレに行ってくるか」
首を食いちぎられるなんて夢を見たから、当たり前なのに身体を動かせるという事が嬉しく思える。
ベッドから足を下ろして立ち上がり、真っ暗な部屋の中を、入口に向かって歩いた。
廊下を歩き、階段を下りてトイレに。
用を足して、あくびをしながら部屋に戻った俺は……廊下の明かりで照らし出された、誰かの脚が部屋の中にある事に気付いたのだ。
「……お、小野?」
近付いてみるとそのには、床の上で丸まって、小野が眠っていたのだ。
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