彼女、襲来。

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兎にも角にも。謎の少女から、弁当箱を貰ったわけであるけど。 この可愛らしいピンクの風呂敷を、解くべきか……。 などと、弁当箱とにらめっこしていると、腹の虫が鳴いた。 時計を見ると、もう昼の十二時。 ……まあ、死にはしないだろう。変なものが入ってたって。 ピンクの包みを開き、簡素な弁当箱を開く。 「さて、ご開帳~♪」 中には、から揚げ、卵焼き、白米、きんぴらごぼうが入っていた。 どれも、僕の好物である。さっそく、から揚げを口の中に入れる。 「……美味しい」 なんとなく、残念な気もしたけれど。とても、美味しい。 特に、きんぴらごぼう。味が、実に僕好みだ。 十五分で、あっという間に平らげ、弁当箱を洗う。 ……さて。 「この弁当箱、どうしよう……」 少女は、僕のことを知っている。 けれど、僕は少女のことを何一つ知らない。 どうすればいいんだ? …………とりあえず、寝ようか。
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