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さて。どうしようか。
目の前には、自分には縁のないであろう女の子。
背的には、JKというやつだろう。
そして、部屋に招き入れてしまったという事実。
(いや、通報されるだろ)
本当にマズイ。
あーでもない、こーでもない、と、考え込む。
「あの」
「はぁい!?」
静寂。
完全に、とちった僕のせいだ。てかあんな声、久々に出したわ。
「ちゃんと、伝わってない、みたいなの、で。」
一呼吸、のち。
「この前は、助けて頂き、ありが、とう、ございま、す……!」
「……?」
うーん?
おかしいな? そもそも、僕が、人を助けるなんてことが、あるはずがない。
だって僕、結構クズだし。
「ナン、パ、されてたとき、男の人、倒してくれ、たよね」
「あ」
思い出した。完全に思い出した。そういえば、そんなことあったわ。
「わたし、あんなこと、初めてで。あん、な風に、助けてくれて……」
「いやいや。善意でやったわけじゃないし。お礼なんて良かった――」
と、言葉を続けようとして。
あれ?と、違和感を覚えた。
「……あのさ、聞きたいんだけど。僕の住所、どこで知ったの?」
そうなのだ。
僕は彼女に住所を教えた覚えはないし、聞かれた覚えもない。
当然の疑問だ(さっき気づいたばかりだけど)。
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