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水曜日。
ついに実家を出る日が来た。
車で1時間ちょっと。
荷物を乗せたトラックは
そのまま新しいマンションへと向かった。
新しい仕事が始まるまで毎日が日曜日。
片付けもどんどん進んでいる。
ベットにテレビにクローゼット。
真ん中には小さなテーブル。
物がないのが1番片付く。
効率を考えて
要らないものは全て捨ててきた。
でもカーテンくらい
柄物にすれば良かったかもしれない。
殺風景なこの部屋は
綺麗に片付いてはいるけれど
女子的な要素があまりにもなさすぎて
どうなんだろう。
BBQの日から
ショウタとはメールのやり取りが続いていて
次の日には
『今度いつ会える?』
『新居の方まで会いに行くよ。』
早速の誘いも受けた。
見た目は悪くない。
性格も明るくて優しそう。
引越しを済ませて
買い物もしたいからOKしたが
正直あまり好みではない。
どちらかというとコウちゃん派だ。
何も言わなくても
愛を大切にしている事が分かる。
そういう所がいいなと思う。
そんな事を考えながらも
土曜日に着る服を選んでいた。
好みではないが
好意を持たれるのは悪くない。
相手がイケメンならなおさらだ。
可愛いと思われたいし
チヤホヤされたら気分が良い。
唯一の心配は押しに弱い所。
つまり自分自身だ。
もしあの笑顔で迫られたりしたら
ちゃんと断りきれるか不安だった。
高校と同時にビッチからも卒業して3年。
例のセフレ意外とはしてないし
その彼とも音沙汰なし。
なんだか流されてしまいそうな気がしていた。
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