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冬の痛いイジワルな風はいつの間にかいなくなって、自分を包み込むような暖かな空気に髪を揺らされくすぐったさを感じる。
履きなれない硬めの新しいローファーを無理やり曲げて大股で歩く。
そう、私もいよいよ女子高生。
幼い頃から身長は伸び悩み、高一になった今、149cm。
あと一歩のところで夢の150cm台。
毎日牛乳をお風呂上りに飲んで、10時には寝る、そういった努力を日々重ねて来たものの効果を感じられたのは一度もなかった。
今まで何度小学生に間違えられただろう。
でも今日からそんな心配はない。
なぜなら私が着ているこの制服は地元では知らない人はいない、超がつくほど有名な私立校。
誰もがこの学校を目指して勉強するのだが、馬鹿すぎた私には到底手の届かない夢の世界だった。
そんな私がなぜ入学できたのかって?
それは……
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