1章 思い出の夢

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ポケットからスマホを取り出し、電源を入れると画面に表示されたのは8:35という数字。 はーぁというため息と共に肩を落とす。 実原結香、入学早々初めての登校で早速遅刻決定。 ご愁傷様です。 家から学校が近いおかげで油断しすぎていた。 1人だけ遅れて教室に入るとか、、嫌だな。 坂を足早に登りきり、静かな校門をくぐると校門のすぐ右隣にある駐輪場に人影を見つけた。 あっ、あの人も遅刻組かな? 入学早々私のような失態を犯す奴の顔が気になり、駐輪場の方へ足を向ける。 別に悪いことをしている訳では無いが、何故か忍び足になってしまう。 息を殺しながら出来るだけ音を出さないように近づく。 ゆっくり…ゆっくり… ……ガッシャーン!!! 「ああああああーっ!」 駐輪場にキレイに並べられていた自転車がドミノのように倒れていく。
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