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オープニング 三浦加奈子
薄暗い森の中。
加奈子は、寒気を感じ目を覚ました。
「寒い………。」
〝あれ?おかしい。
私は、部屋でオンラインゲームをしていたはず……。〟
そして、辺りを見回し思考する。
〝何故私はこんな所に?〟
こんな知らない場所に迷い込み寝てしまうほど、自分はおろかではないと自覚しており、これは何かの陰謀ではないかと妄想の域をでない考えを出す。
〝そうだ。
きっと私は召喚されたのよ!
この世界に私を召喚したマスターがいるはず!
きっと、私の助けが必要なほど困っているに違いない。〟
「うふふっ。」
加奈子は、自前のゴスロリ服と自慢の黒く長い髪を叩きながら、起き上がると辺りを探し始めた。
「私が召喚されたのなら、間違いなく武器になるものが近くに………
あったぁー。」
木の根元付近で、スポーツバックを見つけた加奈子は、中を弄る様に探し、一本の包丁を見つけた。
「流石はマイマスター。
私の事、なんでも知っているのね。」
と、包丁を眺めニヤリと笑うと包丁ケースにしまい、腰リボンに隠した。
「待っていてね。マイマスター。
私があなたを見つけてあげる。」
加奈子は、スポーツバックの中から、防弾チョッキを投げ捨て、当てもなく走り出した。
「うふふふっ。うふふふっ。」
と、不敵な笑みを浮かべなら、人とは思えないほどの身体能力で木を駆け上り飛び移る。
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