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時間にして30分。
森の中腹あたりで人影をみつけた加奈子は、木の上に止まり、様子を見る。
〝あら?
あんな所に人?
何をしているのかしら……〟
「ひぃはぁはぁ……」
と、息を切らしながら、何かから逃げる様に加奈子がきた方へ走っている。
加奈子は、木の上から飛び降り、男の前に立った。
「うわぁぁぁ!?」
空から人が降りてくるなど思っていなかった人影の持ち主は、驚き尻餅をつく。
「あなたが、私を呼んだマスターかしら。」
「いててて……。ひぃ!?」
加奈子は、包丁を男の首元に当て、上から見下す様に見下ろしている。
「もう一度聞くわ。
あなたが私のマスターかしら?」
「ま……マスター?」
男は、とっさにナイフを背に隠し首を激しく振る。
「なら・・・・マスターの敵ね?」
「違う違う違う違う!!
俺はここを通りかかっただけで!」
「・・・・・・
そうなの・・・だからといってマスターの敵じゃないという証拠もない!」
加奈子が問答無用に男の喉を切り裂く。
「!?!!!!△×!!!!」
男は、喉から大量の血を噴出し、声もなくのた打ち回りながら痙攣し、息絶えていった。
「・・・・・。マスター・・・今あなたの元へ行きます。」
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