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「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「!?」
加奈子が森の中を走っていると、どこからか女性の悲鳴が聞こえてきた。
〝・・・・。
まさかマイマスター!?〟
加奈子は、声のするほうへ走り、二人分の人影を見つけるとその近くの茂みに隠れた。
〝・・・・?
なにをしているのかしら・・〟
「おい!いいだろ?」
「いやっ!やめて!!」
大きな杉の木の幹に隠れ、柄の悪い男が女性を襲っているようだ。
〝・・・・・。マスターではなさそうね・・・
ほっときましょう。〟
と離れようとしたが、自分の心の内にもやついた様な苛立ちを覚え、足を止め振り返る。
「やめてだ?だったらもっと怖い思いさせてやる!」
男がサバイバルナイフのようなものを女に突きつけ、服を切り裂く。
「いやぁっ!!」
「おい。いい格好だな?」
と、満悦そうな笑みを浮かべる男に、加奈子は嫌悪感を覚え、茂みを飛び越え男に向かっていった。
「なぁ!今きもっ!?」
男の背中に包丁が刺さる。
「ぐううう!!あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
という規制のような声を上げ、加奈子が包丁を切り下げ一気に引き抜く。
「うぐっ!?ぐおおおおおお・・・・
いてぇ!いてぇよぉ~!!」
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
鮮血に怯え、悲鳴をあげる女。
男は背中から腎臓まできりさかれ、前のめりに倒れ、男の体から噴出す血液を全身に浴びた加奈子は、男をにらみつけながら言った。
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