第一章 導き  

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 僕の名前は海道隼人(かいどうはやと)。15才だ。  僕は今、僕が通う高校の校舎裏に呼び出され、同級生に囲まれていた。  「おい、ポンコツ。千円でいいから貸してくれよ」  僕は財布をポケットから取りだし、中身を確認した。  「あの……」  僕は財布を中身が見えるように開いた。  一人の同級生が財布を取り上げた。  「500円しか入ってねぇじゃねぇか!」  僕は数人の同級生に袋叩きにされた挙げ句、全財産を取られてしまった。  「はぁ……。君ってホント、ポンコツ君だね」  幼なじみの浅田花梨(あさだかりん)。同じクラスだ。  「うるさいな……。大勢いたんだから仕方ないだろ」  花梨は溜め息をついた。  「たった3人を大勢って言わないわよ、普通」  僕は頭をかきむしった。  「見てたんなら助けてよ!」  「ギャーギャー言わないの!だから侮られるのよ」  僕は机に突っ伏した。  
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