第一章 導き  

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 ──学校の帰り道。花梨と僕はお喋りしながら歩いていた。  「そんでさぁ、アズがくしゃみしたんだよ?私可笑しくって可笑しくって」  僕は一点を見つめていた。  「へぇ。僕には花梨のツボが未だに分からないよ」  花梨が地面を激しく蹴った。  「ひっどい!もう口きいてやんないんだから!」  「ご、ごめん」  「すぐ謝るのもダメなんだよ!……こうなったら、私が一から鍛え直してあげる!」  花梨が僕にファイティングポーズを取った。  僕が宥めようとした時、花梨の背後の塀が不自然に歪んだ。  僕はとっさに花梨の手を引き、自分の後ろに退がらせた。  「な、何よ!あ、あれ?何あれ……」  塀の歪みは丸い円となった。円の内側は白く光っている。  「分からない。ここから離れよう!」  走り出そうとした刹那。二人はそこに重力があるかのように、光の中に呑み込まれた。  
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