日常

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雫は家を出て、歩いて学校へと向かう。 男「おい、あれ絢瀬だろ?」 男「あぁ、近づくと喧嘩吹っかけられるぞ」 女「あんなカワイイ顔して恐いわ」 近くを歩いている学生たちが小声で会話している。 本人たちは俺に聞こえないように話しているつもりだろうが、丸聞こえである。 俺は別に誰かれ構わずに喧嘩をしているわけでない。 相手から吹っかけてきたものしか喧嘩しないし、無闇に喧嘩したりするわけでない。 ただ、暴走族やヤクザなんかとも喧嘩しているので、一般人からしたら恐怖の対象だろう。 別に今更、誰かと仲良くしようという気もないのでどうでもいいことではあるが。 ?「雫~、待ってよ」 後ろから俺の名前を呼ぶ声が聞こえるが止まることもなく、振り返ることもなく歩き続ける。 ?「やっと、追いついた。 少しくらい待ってくれてもいいじゃん」 「なんで俺が待たないといけない。 剣(つるぎ)、お前ならすぐに追いつくだろ」 俺に声をかけてきたのは、南條剣。 数少ない友だちだ。 剣は頭も良く、運動も出来、イケメンで優しい性格なので皆から慕われている。 剣「確かにそうだけどさぁ。」 「さっさと行くぞ」 剣「うん」 俺たちは学校へと向かって歩き続ける。 今日から通う学校は私立のでとても学力の高い高校だ。 俺たちが歩いていると、一台の車が停まり、そこから制服を着ている女が降りてくる。 ?「雫、剣、おはよう」 剣「おはよう、麗華」 剣が女-神崎麗華-に挨拶を返す。 神崎麗華は俺たちの幼馴染で、頭も良く、運動も出来る。 また、神崎財閥という大きな財閥の1人娘である。
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