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「俺が美月と付き合いだしたことと、そのあとすぐに、お前が美月を好きになったことも話した。
あとはミズキを見て、まだお前が美月を忘れられないと思ったことも。
……まぁ、相手がそれにうすうす気付いていたのは意外だったけど」
健吾が言い終わらないうちに、浩二は健吾の胸ぐらを掴んで叫んだ。
「……んだよそれ……。
なんでそんなこと……!」
―――瑞希、
―――瑞希。
その時の彼女の顔が思い浮かんで、怒りでこぶしが震えた。
至近距離の健吾の顔がゆがみ、ひどく不健全な笑みを見せた。
口の端を持ち上げて、浩二をまっすぐ見返す。
「なんでって……。そんなのお前が一番わかってんだろ。
美月の身代わりを無理に愛そうとしておいて、それくらい覚悟の上だったんじゃねーの」
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