硝煙の先

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__チャールストン市街近郊管理外区 TMC支部からロボット四機小隊で移動を始めて十分。リアムの乗るDestrierは、味方機の後ろで隊列を崩すこと無く周囲の警戒を続けていた。 「敵機影、確認無し」 『ハッハッハ!アンダーソン准尉、そんなに気張ることもねえだろう』 リアムのDestrierの前を進むGl.Pattonに乗った小隊長が、リアムの報告を笑い飛ばす。 『諜報部隊の話じゃ、敵はたった一機だそうだ。わざわざ小隊一つ出す程の任務とも思えんが、お前の初出撃にはちょうどいいだろ?アンダーソン准尉』 そう、作戦目標はロシア帝国軍強襲部隊の残存兵力で、確認されているのがたったの一機。 作戦に失敗し撤退すらできなくなった袋小路のネズミ処理という簡単な仕事、隊の誰もがそう思っていた。ただ一人、リアムを除いて。 『慎重になるに越したことは無いがな准尉、もう少し肩の力を抜いたらどうだ?その機体のテストに参加したのだってもう二年前になるそうだしな』 Gl.Pattonの上部だけをリアムのDestrierに向け回転させ、小隊長の男は続ける。 『しかしお前も不幸なもんだな准尉、急に呼び出されたと思ったら、いきなりそいつに乗れだのでその日のうちに実戦投入だなんて普通はありえん……』 『ベン隊長、熱源探知しました』 隊長機の後ろを随伴していた隊員のDestrierから通信が入り、一瞬で場の空気が引き締まる。
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