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その遺体の悍ましさに、熟年の刑事でさえも戦慄を覚えざるを得なかった。
まるで昔のロボットアニメの悪役のように、顔半分が男と女で非対称になっていたのだ。
調べた結果、その半分の男の方は、今までの被害者の遺体と繋げられていた手や足の持ち主であると分かり、身元を特定した警察は男の住んでいたアパートに向かった。
その部屋の中央に正座していたのは、一人の男。表情には生気が無く、掘りが深く無骨でさながらフランケンシュタインを連想させた。
部屋の中は血生臭く、大きな鋸も無造作に置かれていた。
その男の落ち着いた様子に、刑事は息を飲むと男を問い詰めた。
「お前が、何人もの女性を殺害した殺人鬼か?」
「はい」
男は素直に一連の事件の加害者であると認めた。
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