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今日はいいお天気だと青空を見つめながら多恵は呟く。
そして右手には今スーパーで買った食材がナイロン袋にどっさりと入って多恵の右手にとってのひもが食い込む。
多恵はその重さと、紐の食い込みの痛みに耐えながら、自分の住んでいるマンションへと歩いていた。
10分ほど歩くと多恵の住んでいるマンションの玄関にたどり着く。
多恵は「よっこらしょ」と声をかけながら、マンションの階段を上り始めた。
二階の踊り場に着くと角を曲がろうとした時に深いキャップ帽をかぶった、男と肩がぶつかり多恵は「痛い」と小さな声を出していた。
ぶつかった男は振り向きもせず何事もなかったように通り過ぎていく。
多恵も、疲れていたので早く家に帰ろうとして男の事は気にせずに歩き始めた。
そして、多恵の部屋のある3回に来た時にまた、あの深く帽子をかぶった男とすれ違いざま肩がぶつかった。
多恵は痛いと声を出し、良くぶつかると思いながらも薄気味悪い男にかかわりたくないのでそのまま自分のマンションに帰る。
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