第3章

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まあその話はいい。 武闘大会に話を戻す。 この大会の成績上位者は昇進しやすいという噂もあるが、正直噂の域を出ない。 上の階級の者も観戦するので無関係というわけでもないだろう。 しかし俺が欲しているのはこんな曖昧なものじゃない。 中級騎士の大会優勝チームと2日目の優勝者にはある権利が与えられる。 どんな相手とでも真剣勝負を行うことができる権利 初日のチームは2日目の決勝戦が終わってから、2日目の優勝者は疲労を考慮して決勝の2時間後に試合を行う権利を有する。 決められた時間以外の試合は原則認められていないので、大会で怪我をした場合などは残念ながら権利を放棄しなければならない。 そして俺はこの権利を使って勇者王と戦うつもりだ。 別に勝とうっていうんじゃない。 今の俺の力が奴にどの程度通用するのか知りたいのだ。 全ては、来たるべき日のために ノーデン先生との試合は他の2人の後に行うことになった。 彼女の発言の後にそのうちの1人の男に絡まれたが、正直全く聞いていなかった。 たぶんお前には早いとか厭味ったらしく言っていたんだろう。 去年の昇進試験をトップで通過してからというもの、やたらと絡んでくるのだ。 どうでもいいが。 カトリーナ「さて。ミカゲくん、準備はいいかい?」 気がついたらノーデン先生と向かい合っていた。 両者の距離は10メートル。 普通の模擬戦にしては広めの間合い。 俺が無意識のうちに距離を取ったのかノーデン先生が意図して離れたのか知らないが、この間合いは俺にとって都合がいい。 トウヤ「…ええ。始めましょう」 イメージトレーニングはばっちりだ。 初撃ももう決めてある。 あとは実行あるのみ!
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