第3章

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最初の交錯はノーデン様から見てすぐ右で発生した。 開始と同時に魔法を使った移動で右側から切り込んだ俺は、自分の動きが見られていると感じた。 剣が交錯する直前に雷魔法で目くらましをし、今度は反対から切り込んだ。 自分でもうまくいったと思った。 スピードも悪くないと感じた。 しかし結果はあっけないものだ。 右足を踏み出しての左からの切り上げはノーデン様に余裕の表情で受け止められた。 しかも目を瞑ったままでだ。 トウヤ「…なめてます?」 カトリーナ「さあ、どうだろうな」 切り結んだままの状態で思ったことを口にした。 おそらく魔法でフラッシュの効果を遮断したんだろうが、もしそうなら目を瞑る必要はない。 そもそも瞼の厚さくらいでどうこうなるものじゃないからだ。 つまり、目を閉じるという行動に彼女へのプラス要素は一切ない。 それどころか彼女にとっては足枷に他ならない。 そして切り結んでいる今この時も、ノーデン様は目を開ける様子がない。 つまりこう言いたいのだろう。 お前の攻撃なんぞ見なくても当たらないぞ
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