67人が本棚に入れています
本棚に追加
最初の交錯はノーデン様から見てすぐ右で発生した。
開始と同時に魔法を使った移動で右側から切り込んだ俺は、自分の動きが見られていると感じた。
剣が交錯する直前に雷魔法で目くらましをし、今度は反対から切り込んだ。
自分でもうまくいったと思った。
スピードも悪くないと感じた。
しかし結果はあっけないものだ。
右足を踏み出しての左からの切り上げはノーデン様に余裕の表情で受け止められた。
しかも目を瞑ったままでだ。
トウヤ「…なめてます?」
カトリーナ「さあ、どうだろうな」
切り結んだままの状態で思ったことを口にした。
おそらく魔法でフラッシュの効果を遮断したんだろうが、もしそうなら目を瞑る必要はない。
そもそも瞼の厚さくらいでどうこうなるものじゃないからだ。
つまり、目を閉じるという行動に彼女へのプラス要素は一切ない。
それどころか彼女にとっては足枷に他ならない。
そして切り結んでいる今この時も、ノーデン様は目を開ける様子がない。
つまりこう言いたいのだろう。
お前の攻撃なんぞ見なくても当たらないぞ
最初のコメントを投稿しよう!