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トウヤ(…まあ、今はリンフォードの相手をしなきゃだな)
フェリックスがどれだけ優秀であっても、今の俺にはそれほど関係ない。
それよりも今大事なのは、武闘大会に優勝すること。
そのためにチームメイトのリンフォードを鍛えているのだから。
少なくない時間休憩した後に俺はリンフォードに話しかけた。
トウヤ「どうだ?気持ちの整理はつきそうか?」
リンフォード「…うん、頑張ってみるよ!」
そう言って胸の前で拳を固めた頑張りますポーズをとった彼の姿は、まさに庇護欲をそそられる存在だった。
彼が頑張ろうとすればするほど周りが仕舞っておきたくなる天邪鬼的マスコット。
…いや、天邪鬼って言ってもいい意味でだよ?
自分に下らない言い訳をしながら腰を上げ、リンフォードに手を差し出した。
彼は笑顔でその手を取り、ゆっくりと立ち上がる。
トウヤ「剣の腕はあるんだからそれを前面に押し出していけばいいんだ。フィーネとの試合、魔法なしなら本来お前の方が勝っていなきゃいけない」
「そこで降参まで追い込めなかったのがあの時の敗因だな。魔法技能の方は毎日の訓練で伸ばすしかないけど、戦術は気の持ち方で変わってしまう。残念ながらあの試合ではリンフォードの選択は負の方向に働いた」
「だが気の持ち様で変えられる、という考え方もできる。あの試合はお前が攻めだけを考えていればもっと優勢に運べていたと俺は思う。もっと自分を信じろ」
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