第4章

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開始の合図で切り込んで来たのはリンフォード。 俺はその場を動かない。 しばらくは守りに徹するつもりだ。 リンフォード「はぁっ!」 直線に走ってきたリンフォードはそのままの勢いで切り掛かってきた。 彼にしては単調な流れからの攻撃。 剣で受けることはせず、攻撃を見切りながら1歩分後退する。 それで初撃は完全に避けることができた。 リンフォード「…っ!そこだぁ!」 リンフォードは避けられた剣を素早く逆手に持ち直して両手で地面に突き刺した。 その際初級の筋力強化を使ったようだが口を挟むことはしなかった。 挟まなかったと言うより挟めなかったと言うべきか。 深々と突き刺さった剣を支えにして飛び蹴りを放ってきたからだ。 しかもただの飛び蹴りではなく、剣を支点にした右回転の飛びまわし蹴りだ。 トウヤ「っ!くっそ!」 初撃を完璧に見切った後退だったため、リンフォードの蹴りは丁度俺の延髄を狙える攻撃になった。 次の攻撃に移りやすくするために大きく攻撃を避けない俺の癖と自分の剣の長さ、身長を計算に入れた見事な連携攻撃だ。 また、今の俺は後退する際に剣を右手に握っている。 そこまで確認して俺の左側から攻撃しているんだから大したものだ。
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