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剣を鞘に納めながらリンフォードに剣を取りに行くよう促す。
彼は若干うなだれながら歩いて取りに行き、そして俺の元に戻ってきた。
トウヤ「さて。何と言えばいいものか」
リンフォード「ぶー。そんなこと言わないでアドバイスちょうだいよ」
こいつ、俺に勝てないからってふてくされてやがるな。
確かに魔法無しというルールで得をするのは彼の方だ。
それが分かっているから気分が良くないのだろう。
トウヤ「アドバイスって言ってもなぁ…。技術的なことは専門外過ぎて何とも」
リンフォード「…じゃあ何も言うことは無いってこと?鍛えてくれるって言ったのに」
トウヤ「どうすればいいってのは分かんないけど何故負けたのかってのは言ってもいいよ。どうする?」
相も変わらず不機嫌な様子で続きを促してくるリンフォード。
そのツーンとそっぽを向く感じも可愛いなぁ。
言わないけど。
トウヤ「身体を回転させる時に目を離す時間が長いな。だから技の出掛かりのところを俺に踏み込まれた際に何もできなかったんだ。首を回してでも相手を見るくらいは必要だぞ、これからは」
リンフォード「そうなんだ…。全然そんなこと考えなかったよ」
今までは行動スピードの速さに相手がついて来れなかったから意識していなかったのだろう。
しかし相手のレベルが上がっていけばスピードについてくる者や動きを見切ってくる者が必ず出てくる。
そういう相手から目を離す時間はたとえ技を繰り出す最中であっても減らすべきである。
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