第4章

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トウヤ「で、沈めてきたって言うことは交渉は決裂したらしいな」 フィリーネ「別に父さんの言うことなんか聞かないし。そんなことより訓練は?」 リンフォード「今トウヤと模擬戦したところだよ。直すとことか気をつけるとこを教えてもらってたんだ」 すぐ傍にいたリンフォードが、フィリーネの不機嫌な様子を気にすることなく話に加わってきた。 彼の笑顔を見たフィリーネの機嫌が若干良くなったように感じる。 さしずめ、気分屋な姉とノー天気な妹と言ったところか。 フィリーネ「へぇ、模擬戦ね」 彼女が視線をこちらに向けた。 その意味するところを正確に理解した俺は即座にこう切り返した。 トウヤ「あ、そういえば俺にも急用が――」 フィリーネ「大丈夫大丈夫。こっちの用はすぐ終わるから」ガシッ 「たぶん」ボソッ 全力で出口に向かったが、残念ながら彼女に捕まってしまった。 捕まれた右肩がギリギリと締め上げられていく。 しょうがない。 肩が使い物にならなくなる前に、彼女の憂さ晴らしに付き合ってあげますか。
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