第4章

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トウヤ(…まだまだだな) ノーデン様との模擬戦から魔法技能の鍛錬や魔力量増加のために魔力コントロールの練習を重点的にやってきた。 その理由は、彼女の圧倒的な魔力コントロールの技量に感化されたから。 一度に身体の外へ排出できる魔力の量は、その人の魔力量に依存するところが大きい。 もちろん個々の技量によって個人差はあるものの飛びぬけてこの原則を外れることは無い。 しかしそれは魔法として発現する場合の話である。 魔力を魔法として使用せずに身体に纏う場合、その量は完全に個人の技量に依存する。 そして身体の外で管理する魔力は中から練り出す場合よりも速く魔法を発現できるという利点がある。 トウヤ(まだまだ彼女の足元にも届いていない) ノーデン様の魔力を見るまで魔力に濃度があることなど意識したことが無かった。 そう。魔力には濃度という指標が存在するのだ。 意識してみれば日常的に濃度の違いを感じることが非常に多かった。 ただ普段は意識しなければ分からない、誤差の範囲内のものしか存在しなかっただけなのだ。 魔力の濃度が高ければ同じ時間で発動した魔法の威力が上がることが鍛錬で確認できた。 だがらさっき、できる限りの力で魔力を纏ってみた。 自分の訓練でどれだけ力が向上しているかを確かめたかった。
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