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「今日もお恵みに感謝致します。今日も私達の命があることに感謝致します。豊穣なる大地に感謝致します。ティルミスの加護の下に──」
アルフィはいつも通り、チラチラと母親の方を見ながら落ち着きがないが、母親と父親は真剣にお祈りを続けている。
内容はなんとなく理解出来きたものの、やはり細部の固有名詞はよく分からない。
何を信仰しているのか、どういう宗教なのか、それは追々分かるだろう。
お祈りが終わり、アルフィの顔がニパァと輝いた。
今日は確か外に行ってたみたいだから、かなりお腹が空いているようだ。
食事が始まり、部屋に食器の音が響きだした。
今夜は『クチェ』と言う魚が主菜のようだ。
カサゴをスマートにして一回り大きくしたような魚で、正直あまり旨そうじゃない。
主食はいつものように、『トルヤ』と言うパンのようなものだ。
ただ、パンと違ってよく伸びるのが特長だ。
他にも近所でよく採れるらしい山菜のサラダが盛られている。
まあ俺が食べるのはこっちなんだけどな。
俺の口許へはスプーンが持ってこられている。
ドロドロの何かが乗っているが、俺は未だにこれが
何なのかが分からない。
つまりは離乳食である。
正直まずい。
「ほら、アルス」
ニコニコしながらスプーンを持っている母親に、毎度嫌々ながらも離乳食を喉に通す。
ああー。
このドロドロのヌメヌメとした食感と味のしない不気味さが最高にクレイジーだぜ。
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