9  まぁ、なんだけどな

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実際、前日の金曜も終電帰りだった俺は、 正直、翌日の休みは、ゆっくり寝られる程度しか頭が回っていなかった。 だから、当然ながら夜中に帰ってきてからは、 ザッとシャワーだけ浴びて爆睡。 翌日、目覚めた時は、すでに昼の11時を回っていた。 寝起きの頭は、顔を洗った後にも関わらずボォーっとしたまま。 しかも、腹が減ったとキッチンに向かい、 ダイニングでお茶を飲んでいる彼女を見ても、 まだ俺の頭には、「告白」の二文字が浮かんでいない。 だから、 「おはようございます。まだお仕事、忙しそうですね」 彼女に声を掛けられた時も、 普通に「そうなんですよぉ」なんて答えたりする。 その上、「お昼、一緒にしませんか?」と誘われてホクホク喜んでまでいた。 だが、そんな鈍った俺の頭も、すぐに昼飯の準備にかかってくれた彼女から、 「あの、従姉から伝言がありまして。 あの時、私を助けてくれたお礼を言いそびれてしまったって。 改めて、お礼を言っておいて欲しいと」 そう言われて、ようやく「告白」の事を思い出した。
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