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だが、そのすごい音で我に返れたにも関わらず、
俺の脳内会議の内容までが、椅子と共に吹っ飛んだ。
「す、すみません」
慌てて椅子を立てようとするが、
その拍子に、まだ傷が塞ぎ切っていない腹に痛みが走る。
だから、つい顔が歪んだ俺の傍に慌てて彼女が駆け寄ってきた。
「大丈夫ですか? 怪我してませんか?」
ところが、心配そうに椅子を起こした彼女の前で、
俺は、パニック脳のまま勢いよく頭を下げた。
「この前は変な事を言って、すみませんでした。
パ、パニックでした。でも、気持ちは真剣です」
そして俺は、やや声を張り上げて言った。
「だから、付き合ってくださいっ!」
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