第3章 超強揉みの男

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私は、こういう業界で13年やっているけど、初めてベッドの上のお客様に股がって立ち、押している両手の肘の辺りを両膝で圧迫して押した。 「ペキ、パキ!」 親指からは今まで聞いたことのない音が関節からした。 始まって20分ほどで、私の指は限界だった。 ただ唯一の救いだったのは、そのお客様も自分が特異体質というのがわかっている事だった。 聞けば、どこのマッサージ屋にいっても自分が避けられているのがわかっているそうだ。 お客様自身も、施術者が困っているのを楽しんでいた。 そして、なんとか苦しみながらも、タイマーの残りが20分になった。 私は最後の力を振り絞った。 すると、お客様が上体を起こして私に発した言葉で、さらなる地獄をみることとなった。
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