第3章 超強揉みの男

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「ここ、一番長いコースは何分?」 嫌な予感・・・ 「は、はい。ひゃ、ひゃ、180分です。あとは任意で30分の延長がございます。」 や、や、やめてよ・・・ 「じゃあ・・・」 お、お願い、神様・・・ 「180分に変更してくれるかな?」 やめてーーーっ・・・ 「は、はい。分かりました。ありがとうございます・・・。」 タイマーは100分になろうとしていた。 これから、80分・・・ 深い井戸に落ちて、一本のロープをよじ登っていて、やっと光が見えてきたところでロープを切られたような感覚・・・。 絶望感しかなかった・・・。 実は、残りの80分の記憶がない・・・。 ただ、覚えているのは、指が痛すぎて、ハイになり、お客様と話していて、私自身の笑い声のボリュームがおかしくなって、全開で笑ったりしていた。 タイマーが179分48秒を過ぎ、残り10秒になったら、まるで年越しのカウントダウンのように心の中で、叫んでいた。 (10、9、8、7・・・) もう、無心だった。 (3、2、1・・・0・・) 底なし沼のような地獄がようやく終わった・・・。 店内は私とお客様の2人きりだった。
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