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だけど、このお客さんは、そのレベルではなかった。
まぁどっちにしても、予約が一杯なので、断らなければならなかった。
なので、変に「飲酒されているお客様は・・・」と断って絡まれるより、「本日は予約が一杯なので・・・」 と断る方がややこしくならないだろうと思った。
「・・・ですので、申し訳ごさいません。」
絡まれないように、丁重にお断りした。
「あ~ん・・・ダメなのか!」
あまり下手にでるのも、しゃくだった私は、少しドスを効かして答えた。
「はい、申し訳ごさいません。」
すると、そのお客さんは顔を上げ、私を見た。
私も、そのお客さんを見据え、さらにドスを効かして言った。
「申し訳ごさいません。本日は予約が一杯ですので。」
お客さんは、私の顔ではなく、体をしばらく見つめていた。
「お、俺は・・・あ、アンタみたいな筋肉マンに揉んで欲しかったんだよ~。」
「申し訳ごさいません。」
なんか筋肉マンと言われたのが、少しおもしろかったので、笑みを浮かべながら言った。
周りのスタッフもやりとりを聞いて、チラチラこちらを見ていた。
「お、俺は・・・き、筋肉マンに・・・おい!筋肉マ~ン!」
何故か私は、この酔っ払いに「筋肉マン」と認識されてしまったらしい。
「き、筋肉マンに・・・おい!筋肉マ~ン!」
そう言い残して、結局、そのお客さんは帰って行った。
もう、ゆでたまご先生作のキン肉マンみたく呼ばれて、オモシロくて仕方なかった。
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