第6章 外国人のお客様

2/2
前へ
/32ページ
次へ
また、耳を澄まして聞いてみた。 「オ~シットっ!・・・オ~シット!」 え、これって日本語でいうと「クソッタレ!」みたいな意味じゃ・・・。 「ア~Aさん、オーケー?」 「アン・・・オーケー・・・。」 まぁ、本人がエエって言うてるから、そのまま続行した。 「オ~イエス!」から「シットっ!」に変わるって、どゆ事?なんて疑問を抱きつつマッサージしていた。 すると、Aさんが急にムクッと起き上がった。 私は掘られるんじゃないかと、一瞬身構えた。 「ア~スミマセ~ン、ココの~ブブ~ンと~ココを・・・」 Aさんは、右の足首を指差し、次に左のふくらはぎを指差して説明しようとしていた。 でも、私はAさんに悲しい現実を告げなければならなかった。 「Aさん、スミマセン・・・後、2分しかありません。」 私が言った瞬間、一連の私と外国人のやり取りを笑いをこらえて見守っていた回りのスタッフから、思わず笑いが起こった。 「アン・・・オーケー・・・。」 Aさんは、これぞ外国人っていう肩をすくめながら、悲しそうな顔でそう言った。 しかし、「オ~イエス!」から「シットっ!」に変化した心境は何だったのだろう? わからない・・・。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加