第8章 私がいっち番嫌いなタイプの人間

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「お~こらっ!暴れたろうかっ!」 その男は、Sさんの顔に自分の顔を近づけながら凄んで言った。 「ピッ!」 「🌕🌕さん、ちょっとスミマセン。」 考えるより、体が勝手に反応して、タイマーを止め、自分が施術していたお客様に断りを入れた。 私は、Sさんと男の間に割って入った。 「お客さん、申し訳ありません、当店は飲酒されているお客様はお断りしていますので。」 言葉の文句は丁寧だけれど、声色はというと・・・。 「お前、ええ加減にせえよ!」 という勢いで言った。 威勢よく立ち上がって、Sさんに文句を言っていた男。 私の威圧的なオーラを感じたのか、目を逸らして椅子に座った。 「お客さん、申し訳ありません、当店は飲酒されているお客様はお断りしていますので。」 もう一度、男の顔を見据えて言った。 男から先ほどの勢いはなくなっていた。 もう少し面倒臭い展開になるかと思っていた私は、少々拍子抜けした。 「そこの人が30分後にいける言うたや・・・」 できの悪い女が、横からちゃちゃを入れてきた。
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