第8章 私がいっち番嫌いなタイプの人間

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できの悪いバカ女が、横からちゃちゃを入れてきた。 「お客さん、申し訳ありません、当店は飲酒されているお客様はお断りしていますので。」 私は、できの悪いバカ女が言い終わるのを待たずに、被せて男を見据えて言った。 普段、接客する時は、お客様の目線よりも下になるよう、しゃがんで対応する。 しかし、こんな客はお客様とは言えない。 私は立ったまま、威圧するように見下ろして、対応した。 私は、パッと見、イカつく見えるらしい。 この顔のお陰で、よけいな争い事をせずに生きてこれた。 両親には、本当に感謝している。 「こ、こんな店二度と来るか!」 男は案外、あっさりと引いた。 普段も、この手の客はいるけれど、この客は特に酷かった。 私は、こういう明らかに立場の弱い人間に、逆らえないからと高圧的な態度をする人間を見ると虫酸がはしる。 そんな胸糞悪い夜だった。
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