第1章

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「それと、絶対に矯正はしないでください!」 その女性社員は、初めて無表情から威圧するような顔で私に言った。 聞けば、矯正を入れてトラブルになるケースが、多々あるらしい。 「じゃあ、ちょっと施術してみて。」 カイロプラクティックには、一応「ほぐし」という矯正する前に筋肉を緩める技術がある。 それが果たして、マッサージ屋で、いいのかわからなかったけれど、今の自分にはそれしかないので、やってみた。 30分くらいやっただろうか。 通常だったら、20分くらいしかしないけれど、このマッサージ屋では、基本的に60分が主体なので、長めにやってみた。 「まぁ、一応、合格ですけど・・・。」 (ですけど・・・、な、何やねん。) 私は何かやらかしたかと、不安になった。 「今、少し矯正入れましたね!」 (へ?ぜんっぜん入れてないけど・・・。) 私はあれだけ、語気強く言われたので、細心の注意をしてやっていた。 「いや、入れてませんけど・・・。」 「まぁ、いいわ。とにかく、絶対に矯正はしないでください!」 って、どんだけ矯正にナーバスになってんねん。 【つづく】
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