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その押し問答を数回繰り返して、ふと静かになり2番目と3番目のスタッフが同時に私を見た。
「やっぱりここはエレジーさんしかおらんな!」
2人は声を合わせて、うなずきながら言った。
薄々はこうなるんじゃないかと予想はしていた。
体格も4人のなかでは筋肉もあり、1番力がありそうといわれたらしょうがない。
というのも、私は昔プロボクサーだった。
やめてからも、ちょこちょこは自主トレーニングしていた。
よく引退したボクサーが、きつい減量から解放された反動からか、無様な体型になってしまう人がいる。
私は、そうはなりたくなかった。
だから、それなりには維持していた。
ボクサーの頃はスパーにしろ、試合にしろ誰と組まれても逃げることは許されないという世界で生きていた。
アントニオ猪木じゃないけど、「いつ何時、誰の挑戦でもうける!」みたいなところがボクサーにはあると思う。
「わかりました。僕が行きましょう。」
内心は正直嫌だった。
誰がわざわざ、あっちあちの栗拾いにいかなアカンねん!と思っていた。
意を決して、私はそのお客様の元に向かった。
そして、それは想像を絶する戦いの始まりだった。
<つづく>
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