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戸が閉まり、土方ははぁ、と溜息をついた。 あいつはなんとなく懐かしい匂いがする。山崎の弟だからだろう。 しかしだ。今回の一件は、山崎兄が発端かもしれないっつーのに、弟のあいつに何を頼むってんだ。 言えるわけねぇ。兄の幽霊と接吻しちまったかも、なんざ。 「ほんとに俺、何やってんだ」 そういや、霊に取りつかれた人間は正気を抜かれると聞いたことがあるが、そんな感じはしねぇ。寝不足なくらいだ。 つーことは、取りつかれている訳でもないし、気にせずにいばいいんだよな?ちゃんと寝れば島田も心配しねぇーだろうし。そうだ、犬に噛まれたと思えばいい。それがいい。
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