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しばらくして、腕を下ろした。 「今日はこのくらいで……ぁっ」 木刀を壁に立てかけるため、少し下を向いたところで身体がフラッとよろけた。顔に落ちてきた髪をかき上げ、短くなった髪を梳く。長かった髪はばっさりと切っていた。 「……しょうがねぇ、休むか」 布団に横になり、うつらうつらと寝ているのか起きているのか分からない状態を彷徨っているうち、土方は近くに人の気配を感じた。 (誰かいんのか?) ぼおっとした頭で気配を探ってみるが、ひどく薄い。 (誰だよ) 頭がかろうじて動いているが、声を出そうにも身体が動かない。土方も動かないが相手も動かない。 (ちっ、何だってんだ) 不動の攻防戦がしばらく続いた。 土方が眠ったのが先か相手がいなくなったのが先か分からなかった。次に土方が目覚めたときには夜が明け、室内に朝日が差し込んでいた。
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