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しかし相手が話さないので、次第に土方が一方的に話すようになっていた。 「まさか永倉か原田じゃねーよな?んな殊勝なタマじゃねぇ」 「」 「……あいつらどこにいるんだかなぁ……生きててくれるとありがてぇーな」 「」 出来ればこれ以上、重いものを背負いてくない。 あいつらとは、甲州からの帰りに喧嘩別れのようになってしまったのが心残りだった。けれどもどこかで生きていてくれれば、それだけで良かった。 独り言のように土方が勝手に話す、そんな日が続いた。本当は誰かに聞いてもらいたかったのかもしれない。奇妙で阿呆な事だと思うが、いるのかいないのか、聞いているのか聞いていないのかわからない存在だからこそ、素直な心が出てしまったのかもしれない。
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