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レアはベッドをおりてデスクの上にあった祐真の携帯電話を取り、履歴を探った。
すぐに昂月の番号が見つかる。
「もしもし、昂月さん、ですか。祐真が……祐真が倒れました……」
レアは声を押し殺しながら呼びかけ、端的に状況を伝えると、彼女の動揺が電話越しでも伝わってくる。
「祐真……祐真、妹さんと話して! ちゃんと答えを云ってあげなくちゃ……」
祐真の耳に携帯電話をあてがい、昂月との会話を見守った。
目を閉じ、抑揚がなくなっていく祐真の声に、恐怖がだんだんと強く押し寄せてくる。
祐真から電話を取りあげた。
このまま意識がなくなれば祐真はもう――。
その恐怖がレアの声を悲鳴に変えた。
「お願い。早く来て。あたしは……死なせたくない。祐真に死んでほしくない……祐真もそんなこと望んでない……こんな気持ちのまま……祐真を助けて!」
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